先輩移住者から地域のウラ話がきけるオンライン飲み会! 〜その1 リアルなホンネをレポート〜
2022.03.29
『竜とそばかすの姫』の主人公が住むエリアとしても、脚光を浴びた高知県仁淀川流域。そこに東京から移住して、起業した、元地域おこし協力隊の個性豊かなゲストをお迎えして、お酒を飲みながら、笑いながら、"ホンネ"がきける、飲み会のようなオンラインイベントが2022年2月12日に開催されました。そのイベントの様子をお届けいたします(全2回)。
Vol.1は、つながりゼロから移住して、地域の商品開発やゲストハウス立ち上げまでやっちゃう先輩移住者3名がゲストに登場!移住して苦労したこと、起業してよかったこと、開発した商品の裏側や住民との関係などなど、地域のウラ話を伺いました。
【先輩移住者から地域のウラ話がきけるオンライン飲み会レポート! 全2回】
〜その1 リアルなホンネをレポート〜
〜その2 メトロミニッツ掲載をかけたスペシャル企画をレポート〜
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【ゲスト】
<1>小野 義矩さん
Thumbs Up Works 代表
2017年に縁も所縁もない高知県いの町に家族で移住。
同町伊野地区初の隊員として3年間活動後、起業し、
高知県の素材を使ったクラフトコーラ『sawachina』を開発したり、
仁淀川を自転車ではしる『高知仁淀ブルーライド』など主催。
<2>増井 翔子さん
ゲストハウス宇楽家オーナ / 国内外商
元土佐市地域おこし協力隊。卒業後は地域密着型ゲストハウスを開業、
運営しつつ、地元企業の商品開発・営業を手伝う。
代表商品である『超鰹力』は、自身の筋トレ好きから生まれた逸品で全国のコンビニで販売中!
<3>小野 加央里さん / 一般社団法人nosson 代表理事
前田 梓さん / 理事
小野さんは、NPO法人日高わのわ会で、ボランティアをするために高知県日高村へ。
ボランティア活動を通じて、日高村が好きになり、月1で日高村に通い二拠点生活へ。
移住する気も起業する気もなかったけど地域活性プロジェクト推進中。
前田さんは、結婚を機に高知に移住しふるさと納税担当として毎日奮闘。
日高村の交流拠点『eat&stayとまとと』や関係人口創出サービス『いきつけいなか』を企画運営中。
また、メイン司会には、高知に年10回以上も通う”創刊20周年に突入したメトロミニッツの編集長“古川さん”。アシスタントは、高知県のご当地お笑い芸人”あつかんDRAGON”のしんじょう君とおだちが登場!
参加者のみなさんと乾杯をし、和気あいあいとイベントがスタート!
<1>小野 義矩さん
地域の人の力を借りて実現していく
小野義矩さん:生まれも育ちも川崎市。33年間住んでいた川崎市から、2017年に高知に家族で移住し、地域おこし協力隊として活動を始めました。
小野義矩さん:現在は、個人事業主としてフリーランスで、活動中で主に4つの事業を行っています。
小野義矩さん:1つ目の事業は、前職でスポーツバイクの店長を7年ほどやっていた経験を生かして、ファンライドの事業を行っています。
ファンライドとは、自転車のスピードを競う大会とはまた違い、サイクリングを楽しんでもらうんです。
高知の美味しい郷土料理を味わいながら、仁淀川流域の100kmのコースを走る“GREAT EARTH仁淀ブルーライド”を毎年5月頃に開催しています。
これは、仁淀川流域の地域の方々や、自治体と連携し多くの人の協力を得て実現しましたね。残念ながら、2年連続、コロナの影響で中止となってしまいましたが、2022年は5月に開催の予定なので、ぜひ、お申し込みしてください!
●GREAT EARTH仁淀ブルーライドホームページ
2つ目の事業は、“RINTABI KOCHI”という発信媒体のリニューアルと運営です。“RINTABI KOCHI”では、自転車で楽しんでいただける高知のグルメや観光地、サイクリングコースなどの情報をお伝えしています。
3つ目の事業は、“good five”という古民家を改修して、事務所兼、飲食事業兼、シェアスペースの運営です。
僕なりの形で、健康的で、面白くて、未だかつてないものを
小野義矩さん:4つ目の事業は、高知県で初めての天然クラフトコーラ "Sawachina”の企画販売です。クラフトコーラとは、柑橘類・スパイス・コーラの実など、全て天然の材料を使っている"完全無添加"の身体にやさしいコーラのこと。
小野義矩さん:高知には山海の幸を1つの大皿に盛り付ける『皿鉢(さわち)』という宴会料理があるんです。
この天然クラフトコーラ は1つの瓶に、有機生姜、仁淀川山椒、和ハーブ、天火塩、旬の柑橘類、高知がぎゅっと詰まっていて、『さわちのような』コーラだから“Sawachina”と名前をつけました。
小野義矩さん:企画販売は自分が担当していて、商品のメインビジュアルやパッケージを担当してくれる編集者とデザイナーのユニットの“chuu!”、コーラの味を決める調香師、原材料をつくってくれる農家さん、みんながチームとなって作っています。
小野義矩さん:手に取っていただいた方が、元気で笑顔になるような、そして、高知の野生みを感じていただけるようにという想いを込めて開発した“Sawachina”。2020年に販売を開始しておかげさまでもうすぐ、1万本を達成しそうです!
おだち:ありがとうございます!質問もたくさんきてます!
しんじょう:きてますよ〜!
「小野さんが手がけるものは、見せ方やロゴだったりWEBだったり、とても洗礼されているように感じるのですが、どうしてですか?仕組みなど、ご教授ください!」とのことです。
コンサル料いくらとりますか?(笑)
小野義矩さん:いえいえ(笑)
“Sawachina”は、1年間デザインなども含めて、リリースまでに綿密にやりとりして、作っていきましたね。あと、届けたい世代感を大切にしています。このクラフトコーラは、若者に届けたいということで、インスタグラムで高知の魅力を発信している編集者とデザイナーのユニット“chuu!”さんに、チームに入っていただいたのは、とても大きいですね。デザイナーのえりさんは、元々土佐市の地域おこし協力隊で増井さんと一緒に活動されていて、そのつながりで私も出会いました。
●chuu!インスタグラム
しんじょう:なるほど〜他にも質問がきてますよ!
「なぜコーラに注目したんですか?コーラ以外の選択肢もあったんですか?」
おだち:確かにいの町は生姜が有名だから、ジンジャエールとかね!
小野義矩さん:移住を決意したのも、新しいことにチャレンジしたいという気持ちで、僕が行ったことがない高知県を選んだんですよね。手がける事業も、チャレンジしたいという気持ちが強くて。
ジンジャエールは、すでに美味しいシロップとかが世に出ているんです。そういうのじゃなくて、僕なりの形で、健康的で、面白くて、未だかつてないものって何かなと考えた時にクラフトコーラだ!ってなりました。前例が少ない分、最初はやっぱり手探りで。完全無添加で、健康的で、本当にいいものを作ったけれど、コーラってどうしても、体に悪いイメージがあるじゃないですか。だから、『健康的なコーラだ』という認知を広めるのに時間がかかりましたね。でも、最近は応援していただける方が増えてきました!
おだち:こんなにかわいいコーラはきっとかわいい女の子が作っているんだろうってたどって行ったら、こんな刺激的な小野さんにたどり着くんですね(笑)
小野義矩さん:確かに、よく言われます(笑)「え!“Sawachina”あなたが作っているんですか!」って。
●クラフトコーラsawachinaホームページ
<2>増井 翔子さん
ふらっと、高知の一人旅きて、5ヶ月後には移住しちゃってた
増井さん:高知では毎年3月に、1週間お酒を呑みまくる“土佐おきゃく”というお祭りがあるんです。もともと、土佐のお酒が好きだったので、その“土佐おきゃく”に参加したくて、ふらっと、一人旅で高知に来ました。その一人旅をきっかけに「高知いい!」ってなったんです。
その後5月に東京で開催されていた高知暮らしフェアに参加して、土佐市の方と出会って、「you高知にきちゃいなよ」って感じで、気がついたらとんとん拍子で、8月には高知に移住しちゃって土佐市で地域おこし協力隊の活動が始まりました。
「呑み奢るから手伝って〜」おっちゃんたちを巻き込み宿をつくる
増井さん:今住んでるところは、土佐市の宇佐というところ。家からは歩いて1分ぐらいのところに、海があるような人口4000人の小さな漁師町です。
増井さん:地域おこし協力隊卒業後は、個人事業主としてゲストハウスと居酒屋の運営をやってます。
居酒屋は「あの食堂夜は誰も使ってないから開けてくれんか」と地域の人に言われて、町の小さな食堂を夜だけ借りて、開いているんです。
ゲストハウスの“宇楽家(うたげ)”は空き家だった古民家を改修して、地域の方と一緒に作りました。本当にお金がなかったので、「呑み奢るから手伝って〜」っていろんな人に手伝ってもらって、地域の人を巻き込んでいました。
それに加えて、クラウドファンディングをして、宇佐の外にもファンを作りながらという感じで進めていましたね。
増井さん:“宇楽家(うたげ)”という名前は、みんなでわいわいお酒を呑んでいる時に決めたんです(笑)『宇佐の楽しい家で“宇楽家”』高知といえば、やっぱり宴!お酒を一緒に呑んで、田舎の親戚の家に帰ってきたみたいにリラックスできる場所にしたいという想いでつけました。
増井さん:だから、宴会スペースも大きく作ったんです。コロナ禍になる前は、地域の人も、宿泊の人も混ざってどんちゃん騒ぎの宴をしていましたね。
●ゲストハウス宇楽家ホームページ
『やってみーや』でできた、“超鰹力”
増井さん:前職では、コンサルティングの仕事をしていたので、商品開発、営業、海外セールスや展示会や商談会への参加などもやってます。
宇佐で約80年に渡り、カツオ節や、カツオを使った製品を作っている吉永鰹節店の社長さんと呑んでいた時に、「たまたま生節を使った商品開発したいね」という話になったんです。そしたら、社長さんが「やってみーや」って言ってくれてとんとん拍子で話が進んでいきました。
私は筋トレが好きなので、サラダチキンのカツオバージョンをつくりたいなと。
増井さん:カツオの生節は、高タンパク、低脂質、低糖質、アミノ酸もビタミン豊富で、化学調味料不使用!筋トレをする身としては、いいことばかりで必ず需要があると思ったんです。生節は既存の商品自体はあったので、今までのターゲットとコンセプトを変えました。
お土産市場から、健康的な捕食市場へ。
旅行者から、筋トレマニアに向けて。
増井さん:それにあわせて、スポルテックというスポーツ特化した展示会に参加し、市場調査や商品ヒアリングをして、SNSを中心にPRをしたり、直接売り込みをしたりしました。
増井さん:その結果、“超鰹力”は大手ボディビル協賛させてもらったり、全国のファミリーマートや、ナチュラルローソンにも置いてもらえるようになったんです。
●超鰹力ホームページ
おだち:すごい!大体お酒飲んで、決まっちゃうっていう内容でしたね!
しんじょう:参加者のみなさんからも、たくさん質問いただいていますよ〜
「ゲストハウス宇楽家は海の近くにあるんですか?」
増井さん:はい!宇楽家から漁港まで、徒歩5分ぐらいです。
おだち:目の前に海が広がっていると!
増井さん:そうですね!
しんじょう:超鰹力にも、たくさんコメントきています!
「筋トレにカツオは需要ありそう!」「高知の鰹は驚くほど、美味しいよね〜」と!
「東京でコンサル会社で働かれていたところから、自分で起業する、大きな人生の変化だと思いますが、やりがいはどちらがありますか?」
増井さん:高知で起業した方が、やりがいがありますね〜。東京の時は、言われた仕事をこなす毎日だったんですけど、こっちにきたら、自分で考えて動くしかないんです。その分、責任もあるし、きついこともあるけど、それもひっくるめて、やりがいがあります。やりたいことができて、充実しています!
しんじょう:参加者のみなさん「そうなんか〜」って首もげるくらい頷いてましたね(笑)
「地方移住するには、何かしらスキルや高い技術がないときついイメージがありますが、どうでしょうか?」
増井さん:絶対そんなことはないと思います!!今、私が住んでいるところが、漁師町だからかもしれないですけど、地域の人はそんな高い技術を求めているわけでもないんです。私が、ただ宇佐で楽しんで生活しているだけで、喜んでくれる。なんなら、東京でコンサルしてたとか、知ってる地域の人いないと思います(笑)
<3>小野 加央里さん / 前田 梓さん
起業する気も移住する気もなかった。
小野 加央里さん:私は、名古屋市の名古屋城の近くで生まれて、東京で広告業の仕事をしてました。
2011年の東日本大震災をきっかけに、自分がこれから"どう生きていきたいか"を考えるようになったんです。そこから、全国でボランティア活動を通じて地域のことを勉強して、ご縁あって高知県日高村にあるNPO法人日高わのわ会へ、ボランティアにいきました。
ボランティアを通じて、日高わのわ会の活動や、日高村の村民、暮らしが大好きになり、東京で広告業の仕事を続けながら、毎月のように日高村に通っていました。今でいうワーケーションみたいな感じですかね。そして気がついたら流れるように、日高村の地域おこし協力隊になっていました(笑)
前田さんは結婚を機に、旦那さんの実家である高知県に、奈良県から移住。地域おこし協力隊では、ふるさと納税運営業務を担当していました。
そんな二人が出会って、協力隊卒業後に、一般社団法人nossonを立ち上げたんです。
地域再生推進法人である
NPO法人日高わのわ会からスピンオフした、
高知県日高村を拠点とする地域商社。
小野加央里さん:私が地域おこし協力隊の時に、NPO法人日高わのわ会内でイントレプレナーとして活動していて、その流れを組み地域商社としてスピンオフしている、ちょっと珍しい事業の流れです。村のお母ちゃんである、日高わのわ会から子どもが生まれた感じです。お父ちゃんは、日高村役場ですね。日高わのわ会を母体として、地域との橋渡しやわからないことを地域のマナーやルールを教えてもらいつつ、自分たちの強み、外からのネットワーク力を組み合わせて、いろんなことに挑戦させてもらってます。
しんじょう:いま事業っていくつあるんですか?
小野加央里さん:いま3つですかね〜。日高村のふるさと納税業務運営、関係人口創出するいきつけから始める"いきつけいなか"、そして、新商品開発などです。また地域創生交付金事業を活用して、村の交流拠点であるeat&stayとまととの企画運営をわのわ会の一員として、小野が活動しています。
おだち:設立1年目なのに、結構やってますね〜
小野加央里さん:そうなんですよね。協力隊の時から活動してた事業や、温めていた種みたいなものがすでにある状態で起業してるので、とてもスムーズな流れで事業をやらせてもらってます。
特に、今回は移住イベントなので、オススメサービスとしては"いきつけいなか"。二拠点・週末移住・高知県移住・ワーケーション・地域おこし協力隊にピンときたら、いきつけからはじめる、お仕事・お手伝いを紹介しているサイトなんです。まだまだ、求人が少ないですが、私の実体験からできたサービスです。
小野加央里さん:移住する前から、いきつけ居酒屋のように、気軽に一人で田舎にきて、日高村の暮らしにまつわる、お手伝いをさせてもらって、それをきっかけに、日高村のみんなを知って好きになったからです。
一気に移住しようと思うのが、そもそも厳しくて(笑)相手のことをあまり知らないのに、移住するってリスクしかないじゃないですか〜。だから徐々にこの地域を知ってもらえたらなという想いで立ち上げました。
おだち:特に高知は個性あふれた、おじちゃんやおばちゃんがいるので、相性がいいと楽しく、住みやすいところだよね〜
小野加央里さん:そうなんです。お互いのことを知るところが第一歩だと思うので、みんなに気軽に『いきつけいなか』を見つけてもらいたいですね〜
しんじょう:みなさん、まずは飲み屋に行くように、気軽に田舎にいきつけてみましょう〜日高村は空港から車で40分だし、土讃線の汽車も通っているから、免許がなくてもいけますしね。
●いきつけいなかホームページ
●もっと話聞きたい方に、少人数オンライン飲み会
第2第4金曜に開催『地域のホンネ居酒屋』申し込みはここから
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おだち:移住して起業した元地域おこし協力隊の3名からリアルなお話が聞けましたね〜
ありがとうございました!
【つづきます】
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先輩移住者から地域のウラ話がきけるオンライン飲み会!〜その2 メトロミニッツ掲載をかけたスペシャル企画をレポート〜