空間アロマデザイナーとして活動中!求められている“香り”を届ける人に。
2023.06.28
尾崎愛理さん
高知県日高村の地域おこし協力隊1年目(2023年7月現在)。建築事務所を離職後、「アロマ空間デザイナー」の資格を取得。日高村と協定を締結し「香りを届ける日本一の聖地宣言」を発している「高知FORESTVISION」で活動中。
Q:尾崎さんが資格を取得されている“空間アロマデザイナー”とはどんな仕事ですか?
A:作りたい空気感や環境を“香り”で作る仕事。
ひとことで言うと、空間の香りをデザインする仕事です。
例えば、ホテルの部屋に入った瞬間に「ここの香り好きだな」と思うときないですか?それはホテルの空間に合わせて香りがデザインされているんです。ホテルの部屋はだいだい1日遊んだり、出張をして疲れて帰ってくる場所。だから、家のように安心できたり、癒されたり、落ち着くことができる空間にできるような香りの部屋にされています。
他にもイベント会場でみんなが打ち解ける必要があるなら、リラックスできる香りに。仕事をする空間なら、集中力をあげれる香りに。そんな風に作りたい空気感や環境を“香り”で作るのが空間アロマデザイナーです。
様々な刺激がある中で“香り”は、人にとってかなり重要な情報だと思っています。例えば肌を叩いてその感覚が脳に届くまでは、0.9秒かかりますが、香りは脳に届くまでなんと0.2秒。第一印象を決めるのに耳や目などからの情報よりも“香り”は、かなり影響を与えています。また、人の記憶に最後まで残るのは「嗅覚」で、思い出とも大きく紐づくんです。
それくらい“香り”は人にとって、重要なもの。それをデザインすることができる仕事です。
Q:空間アロマデザインの資格を取得したきっかけはありましたか?
A:コロナをきっかけに“本当にやりたいこと”を見つめ直した。
前職は建築事務所で経理をしていたのですが退職し、税理士免許を取ろうと思い勉強をしていました。でもその時期に新型コロナウイルスが流行し始めて、試験が開催されるか分からない状況になってしまったんです。
1年間勉強したとしても、試験さえ受けられるか分からない。だったら“本当にやりたいこと”をやろうと、改めて自分を見つめ直してみました。今までの自分を振り返ると、私は“香り”が好きだと気がついたんです。寝る前に枕に精油を垂らして寝たり、気分に合わせて“香り”を選んで部屋でアロマをたいたり普段からよくしているなと。
それから、なんとなく“香り”を使って何かできないか考えていた時に、 図書館で「空間アロマデザイン」の本に出会ったんです。そこで初めて“空間の香りをデザインする仕事”があることを知って、すぐに「これだ!」ピンときました。
空間アロマデザインについて調べてみたところ、2ヶ月後に空間アロマデザインの資格の試験があることがわかったので、すぐに勉強を始めて資格を取得しました。
Q:尾崎さんが“香り”を好きになったきっかけを教えてください。
A:北海道の旅行で買ったラベンダーの精油。
20歳の頃から、精油を枕に垂らして寝るようになったのが最初だったと思います。
働き始めた頃は忙しさに少し疲れていて、きっと癒しをもとめていたんだろうな(笑)“香り”でゆったりと、リラックスして寝ることができるのが好きだったんです。
本格的にハマるきっかけになったのは、北海道の旅行で買ったラベンダーの精油。なんとなく嗅いだ精油の香りが、今まで使ってた精油と別格で良い匂いがして、すぐに買いました。
それまでも精油を使っていたんですけど、何から作られていて、どんな成分が入っているのかは、そこまで気にしていなかったんです。その北海道で買った精油は、天然成分100%のラベンダーの精油で、それから精油の成分なども気にするようになり、本格的に“香り”にハマっていきました。
Q:日高村の地域おこし協力隊になろうと思ったきっかけは何ですか?
A:地元高知で応援される形で“香り”を仕事にしたかった。
“香り”を使って仕事をしていきたいと想いはあったのですが、どうやって仕事へと繋いでいったら良いか分からずにいたんです。せっかく“香り”を仕事にするなら、自分のためだけでなく誰かに喜んでもらいたいし、できるなら長年過ごしていた地元の高知の人に応援される形がいいなと考えていたんです。
そんな時に日高村が 高知FORESTVISION株式会社という精油を作っている会社と協定を締結して「香りを届ける日本一の聖地宣言」を発していると知りました。地域と協力しながら“香り”を届ける仕事。まさに私がやってみたかったことを、やっている人が高知にいるんだと、すぐに高知FORESTVISIONの岡村さんにお話しさせてくださいとご連絡したんです。
お話しを聞かせていただく中で、日高村の地域おこし協力隊として、高知FORESTVISIONで学びながら一緒に活動させていただくことになりました。
Q:実際に日高村ではどのような活動をされていますか?
A:地域に根ざした精油作りの仕組みを勉強中。
今は岡村さんと一緒に精油を作りながら、その仕組みを勉強しています。
高知FORESTVISIONは、日本で初めてカーボンニュートラルの蒸留方法で、精油を作っているんです。建築廃材や間伐材を薪の原料として火を焚いて、仁淀川のきれいな水を使い、電気もガスも使わない。
しかも、精油の原材料も高知の地元のものばかりで、捨ててしまう文旦や小夏など柑橘類の皮から、森の整備のために切った木たちなど、今まで活用されていなかったものを活用しています。
地域に根ざして、環境にも優しいこの仕組みを学ばせていただいています。
また空間アロマデザイナーとしての仕事も最近するようになりました。東京にある「金の亀」という日高村の壬生農園の生姜を使ってるサウナ施設の方から、生姜の香らせ方を、どうしたらいいか相談していただいたので、今度初めて東京出張に行くんです。
そのサウナにはどんな人が来て、どのような空間にしたいのかをヒアリングして、イメージにぴったりの空間を作るお手伝いができたらいいなと思ってます!地域おこし協力隊としてできた繋がりが、空間アロマデザイナーとしての仕事もさせていただけているのは、とても嬉しいです。
Q:日高村の好きなところを教えてください。
A:話しかけてくれたり、薪のくべ方を教えてくれたりと優しい人がたくさん。
2023年4月に日高村に来たばかりですが、初めましての方たちが、みんな親切で優しいところが好きです。能津地区で活動をしているため、ミライエでよくランチをするのですが、のうずばあば会の皆さんがよく話かけてくれたり、近所のおじちゃんが精油を作る時の薪のくべ方を教えてくださったり。気にかけてくださるのがとても嬉しいです。
Q:今後の目標を教えてください。
A:求められている香りを届けられる人になる。
これからは「空間アロマデザイナー」として、癒しの香り、安心する香り、場を和ませる香り、集中力を上げる香りなど、その空間で1番求められている香りを届けられる人になりたいです。
そして高知FORESTVISIONで、地域の人に応援してもらえる形での“香り”の届け方を模索しながら、自分の“香り”ブランドを立ち上げて、成長させていくことを目標に頑張っていきます!