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新卒で地域おこし協力隊として活動中!イラストレーターとして独立できる道をつくる。

2021.10.13

自分の「好き」に全力で!
新卒で地域おこし協力隊になった私の挑戦。

村上由佳(むらかみゆか)

新卒の高知県日高村地域おこし協力隊1年目。岡山県岡山市出身。村上さんこと通称「ムーさん」は、岡山大学を卒業し、新卒で日高村の地域おこし協力隊に自ら、志願した強者だ。ほんわかした笑顔の下にきっと、大学生だったからこその悩みや将来への不安があったに違いない。そんな苦悩もしっかり織り交ぜながら、食べることが大好きな等身大のムーさんに話をきいてみた。

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Q.なぜ、地域おこし協力隊に?
A.自分の好きを追求したら、地域おこし協力隊に辿り着いたんです。

ーーー大学4年間ラクロス部に所属していたムーさん。毎日朝5時半に起きて部活動をして、夜は居酒屋のバイトして夜中の12時に帰宅。部活とバイトの日々を送っていたけど、コロナ禍で部活動ができなくなり時間がぽっかり空いた。それがきっかけで、将来のことを考える時間ができたそうです。

「当初は、イラストが好きだから少しでも自分のイラストを描く時間がほしいなって思っていたんです。だから、まずは安定的に給料がもらえ、働く時間も選べる、臨床心理士の資格を取得しようと思っていました。空いた時間に自分の好きなイラストを仕事にするという複業ワークが理想だろなっとなんとなく考えていました。心理学にもずっと興味があったので大学院に進学しようと…」

ーーーでもコロナをきっかけに、今までラクロスばかりやっていた状況が一変。はじめてこの状況や自分に向き合ったという。

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「時間ができて、将来についてちゃんと考えたんです。大学院の勉強をしてたけど、自分が勉強したかったこととちょっと違うなって思い始めたのもあって。大学院への願書を書くときに、改めてなんで大学院にいくのか、なんで学ぶのか考えてみたんです。

そうして気づいたのが『企業に就職も、先生になるのも、しっくりこない。こんなんじゃ、進路を決められない…。とりあえず“大学院に進学するんだ”と言っていれば、周りから進路が決まっているように見られるかな。』
そんな気持ちでなんとなく親も友達も先生も納得するだろうっていう、大学院に進学する進路を選んでいたんだと。進路のこと考えているつもりで、全然考えていなかったんだと思います。


じゃあ、本当に自分がやりたいことはなんだろうって。
紙に書き出して、自分の本当の気持ちについて考えたんです。

それで気がついたのが、根本にはいつもイラストが描きたいっていうのがあること。
川、星空、山、自然が好きだということ。
イラストを描きながら、川がきれいで星空もきれいなところに住めたら幸せだなって。

仲がいい3つ上のお姉ちゃんや、大学の友人に相談したら、『やってみたらいいじゃん』って、後押ししてくれたんです。」

ーーーそして、そのあとすぐ興味をもった日高村へ行ってみたという。思い立ったら、すぐ行動するムーさん。ムーさんの“自分が目指す未来”をつくるアクションは、とても軽やかだ。

Q.数ある自治体の中から、なぜ、日高村に?
A.家族で毎年旅行する四国で出会った川の美しさ。川がきれいな地域に住みたいという憧れがあったんです。

「毎年夏休みに、3泊4日の四国の家族旅行にいくんです。懐かしい昔ながらの生活が感じられる古民家の一軒家に宿泊して、川で1日中遊ぶ。夜には、寝っ転がって星をみたり、花火をするんです。弟が生まれた年から行っているので、18年間続いています。
その思い出から、川や星空が好きになって。

私の地元の岡山市は、それほど川はきれいじゃないし、星空も感激するぐらいのきれいさはなくて…絵に描いたようなきれいな山・川・海に囲まれた豊かな田舎の暮らし憧れがありました。

早速、検索して移住サイトや移住についてのクチコミを調べたところ、一際、目についた写真がありました。それが日高村の協力隊の写真でした。地域おこし協力隊らしい人が仁淀川に足をつけて立っている写真。背景には日高村の観光スポット名越沈下橋が映っていました。それをみた瞬間、ここだっ!って思いました(笑)」

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「ビビッときたので、今度はインスタグラムで日高村の地域おこし協力隊の人がいないか探してみました。実際に活動してる日高村の地域おこし協力隊のけいくんを探し出し、その流れの勢いでけいくん連絡しておきながら、次の日、日高村の交流拠点“eat&stayとまとと”に、友達と一緒に訪問しました。 

ネットで情報を収集する中で、地域おこし協力隊の仕事の内容は自由度が高く自分がしたいことができるところもあれば、逆に自由度が低く与えられた事務仕事をするだけのところもある。自治体によって全然違うと知って。何よりも自分にあった自治体選びが大切だと思ったので、まずは現地を見てみたかったんです。

アポも取らず、“eat&stayとまとと”に訪問してしまったんですけど、現役の地域おこし協力隊の方や日高村役場の協力隊担当の方がたまたまいて、その場で話も聞けました。今考えると、ほんとラッキーでした(笑)
新卒で、大学を卒業してすぐに地域おこし協力隊に入るのってどうなんだろうという不安もありました。直接話が聞けて、どんな仕事をお手伝いできるのか、どういう活動ができるのか、そして自分のイラストを役立てるのか等、詳しく生のお話を聞けて安心しました。
そしてなんといっても、皆さんが声を揃えて、『やってみたらいいじゃん。』という明るいテンションだったのが、印象的でした。
ここきたら、楽しそうだなって直感で思いました。」

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Q.地域おこし協力隊では、どういう活動をしていますか?
A.イラストを使ったふるさと納税や地域活性のお手伝い、日高村村民にインタビュー通じて地域を学んでます。

ーーー2021年4月に地域おこし協力隊に着任して、現在4ヶ月(取材時8月)。社会人としての経験も初めて。名刺の渡し方も先輩から教わりながら、各関係者へ挨拶まわりにいったり、とまだまだ新社会人がはじまったばかりなムーさんだけど…どうやら自分の想像以上に、イラストを描く機会がたくさんあって、やりがいも多いと言う。

「イラストレーターの仕事にも挑戦しながら、一般社団法人nossonのふるさと納税のお手伝いもする。というのが当初のミッションでした。とはいえ、最初はまったくイラストを描くことはないだろうなと、思ったいたけど、着任2週間でイラストを頼まれたんです。驚きました。

そんなに気軽に頼んでくれるんだって。最初のお仕事は、地域のステッカーイラスト。
スマホと人が友達になれるよ、というコンセプトをベースとして、誰にでもわかる視認性の高いイラストを描いたんです。そしてすぐ、日高村をPRするインスタグラムを立ち上げ、そのPRキャラクター(野村さん)のデザインから企画まで、すべて私一人に任せてもらえました。まだやったことないことにチャレンジしているので日々試行錯誤の連続ですが、どの仕事も自由にやらせてもらっています。

野村というネーミングも企画意図を伝えたら、『いいじゃん!』って、褒めてくれました(笑)人からオーダーを受けて描くのが初めてだから、イラストの構図は試行錯誤。『こういうイラストどうですか?』って意見を聞くとみんな具体的にアドバイスしてくれるし、助けてくれる。環境も恵まれてるし、こんなに『イラスト描いて〜』って、頼まれると思ってなかったので、本当に嬉しいですね。

イラスト以外には、毎日ふるさと納税の運営を担当しています。事業者さんへ挨拶にいき、ふるさと納税に出品したいものがないかヒアリングし、新商品登録ために取材記事を書いたり、季節の商品がでたらメルマガ内で紹介したりもしています。」

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Q.職場の面白いところや、人柄について教えてください。
A.職場の人たちは、『ちょっと雑談していい?』が口癖(笑)

「最近、取材をしたり記事を書いたりする仕事もふえてきたのですが、私は昔から、人と話すのは好きだけど取材をしたり、記事を書いたりするのは苦手で。それを知った先輩からおすすめのライター本を貸してもらったりしています。それから、イラストをもっと学ぶためにデザイン講座に通ったらいいよとすすめてくれたりもしますし、とても良い職場です。

メンバーは外部の方入れて4名です。ふるさと納税の担当の先輩が2名いて、その方がタスクを管理してくれたり、仕事の内容についてアドバイスや指示をくれています。また、もう一人の方は、デザイン業界に詳しい方ということで、イラストの役割や構成について時々アドバイスしてもらっています。

会社の業務が幅広いこともあり、みんながさまざまな領域に挑戦してるな〜って感じがあり、すごいです。また、職場の人たちは、『ちょっと雑談していい?』が口癖で(笑)
雑談から地域の関連話になって、どんどん広がっていくのが面白いです。そんな雰囲気の中で、『なんでもきいてね〜』と言われているので、話しかけやすいのがとてもありがたいです。」

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Q.ムーさんから見た、日高村やこの周辺の魅力を教えてください。
A.すんごい自然が綺麗なのに、すぐ近くにコンビニやスーパーもあるから思っていたより便利。

「最初に見た、仁淀川の中で地域おこし協力隊の人たちが並んでいる写真からは想像できないぐらい、都会でした(笑)きれいな仁淀川から車で5分~10分ぐらいいけば、スーパーやコンビニがあります。こんなにきれいなのに、すぐ近くで生活に必要なものが買えるので便利ですね。高知市内までは車で30分ほど、高知駅から日高村の最寄り駅である日下駅までは汽車が通っているので、友達が来た時も気軽に市内に出てお酒が飲めます。」

Q.逆に、困ったことはないですか?
A.家の中でも湿気が…..。

「来てから知ったんですけど、高知県は湿気が高いんです。よく雨も降りますし、晴れだと思ったら午後から大雨になることも多いです。
そのぐらい天気はすぐ変わりますし、そういう天候だからかな、湿気が高い。
家の中にカビが生えます….(笑)借りる家にもよると思うのですが、その辺りは対策を考えておいた方がいいと思います。」

Q.知り合いにおすすめしたい、日高村での休日の過ごし方をおしえて?
A.おすすめは、揚げたてのいもけんぴを買って、仁淀川で食べること。

「芋や金次郎という芋けんぴ屋さんが日高村にはあります。そこで揚げたての芋けんぴや芋モンブランを買って、仁淀川の沈下橋に座って、川を眺めながら食べること(笑)ほんとおすすめなんです〜。」

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「今年は、仁淀川でBBQやりたいなって計画しています。休日は自然を楽しむために、清流仁淀川の上流、にこ淵や中津渓谷など、一人で行くこともありますし、現役大学生の地域おこし協力隊もいるので、その子と一緒にラフティングやサップ体験、四万十川のゲストハウスへ泊まりに行ったりもします。

また、仲間の地域おこし協力隊に誘われて行き始めたテニス。もともと高校まではテニス部だったので楽しく参加させてもらってます。日高村には運動競技場があり、村民の方が自由に使ってスポーツしています。テニスを一緒にやっているメンバーは60歳ぐらいから、20代まで幅広い方がいます。自分のお父さんぐらいの人とテニスをして、これもまた面白いです。再熱中です!」


Q.地域おこし卒業後はどんな活動をしていく予定?
A.まだ入ったばかりなので想像がついてないですが、イラストの仕事をしていきたいと思ってます。

「まだ地域おこし協力隊になって4ヶ月なので、あまり想像はできてないですが、将来のために、自分でイラストを売り込みに行きたいと考えいます。まずは、自分という存在を知ってもらうこ事と、自分のポートフォリオを作ることが大切かなと。

嬉しいことにこの業務を通じて、自分のイラストの実績が増えてきてるので、それを少しずつまとめていきたいなって思ってます。そしてもっとデザインやイラストについて、学びを深めたいと思ってます。イラスト描きたい!って思ってきたけど、仕事では自分が描きたいものを描くのではなく、相手が求めるイラストを描かなくてはいけないので、今はたくさん吸収したいですね。3年後にはイラストレーターで独り立ちできることが目標です。

まずは、地域おこし協力隊の活動を通じて、自分のイラストの活用方法を見つけて行きたいです。」

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ーーーと語るムーさん。
ムーさんのイラストレーターへ道はまだはじまったばかり。地域活性を通じてイラストレーターを目指すことは新しい動き方だと感じます。

やりたいことを実現していくムーさんはいつも笑顔。これから先が楽しみです。


村上さんが活動中の“一般社団法人 nosson”の協力隊についてはこちらから

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