NEWS

【2026年スパ関】「イケている地域」とは何か? 壁打ちから見えた地域づくりの本質

2023年7月から高知県日高村で始まった「スーパー関係人口創出メンター制度(通称:スパ関制度)」とは、地域課題解決に必要な 「ナレッジ」や「スキル」や「つながり」を持つ県外在住のプロフェッショナルな方に関わってもらい、地域おこし協力隊の事業を支援してもらう仕組みです。

4年目となる今回は、スーパー関係人口のメンターである小島英揮さんを迎え、高知県東部にある奈半利町の合同会社FUngoの井出風之介さん、實重優さん を対象とした壁打ちを実施しました。

地域で新しい挑戦を生み出すためには、アイデアだけでなく「考え方」を磨くことも欠かせません。

事業の方向性や地域課題を整理しながら、「本当に解決すべき課題は何か」「誰に選ばれる地域を目指すのか」を徹底的にOWWH*のフレームワークを使い掘り下げる時間となりました。

※OWWH(Objective / Who / What / How)
「誰に、何を、どう届けて、何を実現したいのか」を整理するフレーム

「イケている地域」を目指す、その先にある目的
壁打ちの冒頭で掲げられたテーマは、「奈半利町をイケているエリアにしたい」というビジョン。
小島さんから最初に投げかけられたのは、
「"イケている"とは誰にとって、なぜ必要なのか?」
という問いでした。
デザイン性の高いお店があることや、おしゃれな空間をつくること自体がゴールではありません。

本当に重要なのは、

・どんな人に来てもらいたいのか
・地域にどのようなお金が流れる状態を目指すのか
・何をもって成功と言えるのか

という"勝利条件"を明確にすること。

目的が曖昧なままでは、どんな施策も効果的には機能しないことを改めて学びました。

スクリーンショット 2026-07-29 102041.png

課題を小さくすると、解決策が見えてくる
議論を進める中で、奈半利町の課題は次の3点に整理されました。

・目的地になっていない
・中継地点としても十分な魅力を伝えられていない
・人を呼び込むプレイヤーが減少している

その中でも最も重要なのは、「まず人が来る流れをつくること」。

人が集まることが証明されれば、新たなお店や事業に挑戦する人も増え、地域全体の循環が生まれていきます。

「課題は大きく考えるのではなく、小さく具体的にするほど解決できる」

小島さんのこの考え方がとても印象的でした。

「何をつくるか」ではなく、「誰に届けるか」
今回のメンタリングでは「何をつくるか」より「誰に届けるか」に多くの時間が使われました。
例えば、

・モネの庭を訪れる年間約7万人の来訪者
・高知県東部を通過する観光客
・高知旅行が2〜3回目のリピーター

こうした具体的なターゲットを設定し、「モネの庭に行くなら、このエリアで食事をして泊まろう」と思ってもらえる仕組みを考えていきました。

奈半利を拠点に、

・キンメダイ
・しらす
・赤牛
・鮎
・どぶろく
・貸切列車
・地域体験

など、東高知ならではの資源を組み合わせた体験型ツアーの可能性も議論されました。
既にある地域資源を"束ねる"ことで、新しい価値を生み出せるという視点は、参加者にとって新しい気づきとなりました。

スクリーンショット 2026-07-29 102129.png

「考え方」を学ぶ時間
参加者からは、
「目的が曖昧だと、その後の施策もすべてズレてしまうことが分かった」
「課題を言語化することで、考えが整理され、人にも伝えやすくなった」
「今まで複雑に考えていたことが、とてもシンプルになった」
「地域を知っているからこそ視野が狭くなっていたことに気づいた」
など、多くの感想が寄せられました。
「小島さんの答えを学ぶ」のではなく、
どのように問いを立て、思考を深掘りし、課題を整理していくのか。
そのプロセスそのものが、大きな学びとなりました。

次の一歩へ
今回の壁打ちを通して見えてきたのは、「アイデアを増やすこと」ではなく、「目的を明確にすること」の重要性でした。
今後は、

・来てほしいターゲットをさらに具体化すること
・小規模なツアーを試験的に実施すること
・来訪者へのヒアリングを重ねること
・地域資源を組み合わせた体験コンテンツを磨いていくこと

など、実践を通じて仮説を検証していくとのこと。
地域の未来を考える上で、「誰に、どんな価値を届けるのか」。
その原点に立ち返る、非常に濃密な壁打ちとなりました。

地域の活動日誌

とりあえず相談!