奇跡の清流仁淀川のほとりに佇む地域交流拠点。村のおかあちゃんたちが作る、地元食材を使った食事を堪能。
2025.01.21
ミライエキッチン
ガラス張りの建物に足を踏み入れると、仁淀ブルーの輝きが見える絶好の立地。こちらは地元の食材を使った日替わり定食やカレーライスなどの食事がいただける、地域の交流拠点。日高村能津地区で暮らす村のおかあちゃんたちで構成される「のうづばぁば会」が営んでいます。お客さんとスタッフ、そしてスタッフ同士の和気あいあいとした会話が飛び交う温かな空間です。
地域を元気に!「のうづばぁば会」結成
地域の活性化につながる場所づくりのため、地元料理が楽しめるレストランを運営してほしいと地域の女性たちに声をかけ、婦人部「のうづばぁば会」が結成されました。中心となって活躍する部長のみどりさんは、「どんな店にしたいか、みんなでたくさんアイデアを出しました」「顔見知りのメンバーとはいえ、初めは方向性をまとめるのが難しかったわ」と振り返ります。
「健康的な食事を提供したい」「定食をメインにしよう」。少しずつ方針を決めていき、メニュー考案も自分たちで。みどりさんはこれまでレストランの厨房や食品加工に携わった経験を活かして、積極的に舵を切っていきました。また、約10人のスタッフみんながベテランの“おかあちゃん”。それぞれが暮らしの知恵を持ち寄ってレシピを形作りました。
日高村の山や川が生んだ食材を、彩り豊かなランチに昇華する
看板メニューは田舎寿司定食。田舎寿司とは季節の山菜を使ったお寿司で、高知県の山間地域に伝わる郷土料理です。ミョウガやシイタケ、リュウキュウなど、色とりどりの寿司に思わずテンションが上がります。田舎料理を得意とするスタッフの美智子みちこさんを中心に、ミョウガやシイタケなどで寿司を握ります。
美智子さんは「自分ちでやりゆうことをしゆうだけやけど。みんなやり方が少しずつ違うき、意見出し合ってやるのがええんよ」とにっこり。それぞれの個性を盛り込んで、一つひとつ丁寧に仕込みます。
毎日違うものを楽しんでもらえるように1ヶ月ごとにメニューを考える日替わり定食や、鶏の唐揚げ定食などの定食メニューは副菜まで栄養バランスや彩りに気を配ります。そのほかにもオムライス、カツカレー、きつねうどん…とラインナップが豊富。お弁当も好評で、平日は1日に40~50食も作るそう。
どのメニューも、毎朝みどりさんが買い出しに出掛けて仕入れる食材や、地域の人からいただいた旬の野菜を使用します。春にはワラビやイタドリなどの山菜を入れたり、仁淀川で漁れる鮎と特産品のフルーツトマトを主役に据えたメニューを開発したりと地元の食材の魅力を存分に生かします。夏には冷やしトマトラーメンが登場するなど、季節限定メニューも考案します。
人々が交流を深める場所
餅つき大会をはじめとする行事も開催。のうづばぁば会の皆さんは「今まで顔も知れてなかった人たちと関われるんが嬉しい」と目尻を下げます。観光に立ち寄る人も多く、交流を育む場所として人々が集います。
みどりさんは「いずれ40代・50代の子育てを終えた人々にも参加してもらって、このつながりを循環させないかん!」と力強く話し、未来を見据えます。
日高村にお越しの際は、ぜひ一度立ち寄ってみてください。きっとお腹も心も満たされる時間を過ごせますよ。
2025.07.08