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高知県日高村にいきつける。お金を払って竹を切ること。

2026.06.16

地域に関わる方法は、移住だけではありません。

2拠点生活やワーケーションなど、都会に住みながらでも、“いきつけ”のように通える“いなか”を持ってもらいたい。
そんな想いから始まったのが「いきつけいなか」です。

今回、寄稿していただいたのは日高村を“いきつけ”にしている瀧島さん。日高村に足を運ぶようになったきっかけである、一般社団法人nossonの代表として地域活性に取り組む小野加央里さんとの出会い、地域との関わりの中で感じたことを振り返っていただきます。


お金を払って竹を切ること。

小野ちゃんとは、本当に偶然の縁でつながった。
私の前職の仕事でイギリスでのセミナーがあった。翌年、その主催団体が関係するザルツブルグでのイベントがあり、私は旧知の仲間と共に参加した。

その仲間がさそった友人に高知の方がいらっしゃった。
ザルツブルグで、高知の方と仲良くなり、その方が高知でイベントを企画してくださった。
そのイベントに小野ちゃんは来てくれて、私の話にいろいろと質問してくださった。

翌日、日高村に行ってみようと思い立って小野ちゃんに連絡した。
軽いフットワークで、同じくnossonのメンバーの「赤メガネ」さんや、「ながたし」とともに村を案内してくれた。

日高村でとれたトマトのオムライスを食べ、畑をまわって土佐八升豆の生育状況を地元の「おじい」に教わり、わのわ会の歴史や、これからのnossonのことを伺った。

私はトマトと豆をつぶしたゼリーを買うことにした。

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数か月後、私は再び日高村を訪れた。
名産の土佐八升豆が育つには、豆のツルがからまる棚を作る必要があり、その材料となる竹を切る作業が必要なのだ。

この竹を切って運ぶ作業が、nossonのイベントとして企画されていた。私は費用を払って参加することにした。

9月も末とはいえ、残暑は厳しかった。

仁淀川の河原で竹を切り、紐で束ね、軽トラにのせる作業はそれなりの重労働だ。蚊と戦う必要もあったし、女性の参加者も多かった手前、がんばる必要もあるように思われた。

日高村のおじいは軽々と竹を切っては紐で束ね、肩に担いで軽トラに積み込んでいたが、都会ものにはなかなか真似できるものではない。

お金を払って竹を切るという労働をする行為は、どうにも理不尽に思えてきた。

7割がた、作業が進んでくると、さぼりごごろが抑えきれなくなった。現地に行く前に、「ながたし」から、服のまま仁淀川に飛び込むときもち良い!!と聞いていたこともあり、泳ぎたい気持ちが高まった。

私をはじめ、何人かのメンバーが足まで水につかった。川の流れは速くもないし、温度もちょうどよい。

私は、我慢できず、服のまま川に飛び込んで泳いでいた。火照って疲れた体に、仁淀川の水の流れは、爽快としか言いようがないものだった。川から上がると、体も軽くなっていた。

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残りの竹を切って運ぶ作業を終え、いなか寿司をいただいた。帰りは高知市内まで、はるさんに車で送っていただいた。ご厚意に甘えて後部座席で爆睡さ
せていただき、本当に感謝しかない。

私が、このイベントに参加するため、nossonにお支払いした参加費は5000円くらいだったと思う。竹を切る労働に対して、逆にこちらがお金を払っているので、経済合理的に見ると良くわからない消費行動だ。

一般には労働力を提供するには賃金が必要で、価格が上がるほど労働力の提供は増える。3時間の竹を切る労働だと、逆に5000円を払ってもらってもよい理不尽なことだ。

もっとも、世の中には便利な概念が発明されていて、竹を切る行為を「コト消費」ととらえて、体験を売っていると説明することもできる。

たしかに私はそういう「コト」に消費しているとも言えるが、私が消費したのは「竹を切る」コトではない。

小野ちゃんや赤メガネさんやながたしやけすけすがいて、気心が知れているみんなと「竹を切る」というコト消費だ。東京近郊の山の竹を切るのではなくて、仁淀川で泳ぐことや、いなか寿司をいただくことや、おじさんになって無邪気になるのが難しくなってしまったなかで、そういうことも含めたセットの体験なのだ。

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そういう風に考えると、高知までの往復の交通費、宿泊費も含めても価値があるように思えてくる。私は竹を切っただけで、nossonに5000円しか入っていないことは逆に理不尽なようにも思う。

なんでもコモディティになってしまって、なんでもコンビニやアマゾンで買える時代に、たぶんnossonはとても大切なものを提供している。それは、モノとかコトとかを消費者として買うような商品ではなく、参加できてつながれるような場とか、仲良くなれる機会とか、何が起きるのかわからない時間を提供しているんだろうと思う。

月並みだけれども。人間はこれからもそういうなんだかよくわからないものに、ドクドクワクワクする。そんな日高村のみんなへの精神的応援をこれからも全力でしていきたいし、仲間扱いしてもらえるくらいに、たまには参加していきたいなと思う。

▼瀧島さんが参加したイベントについて

nossonが推進している「いきいきソーシャルアクションプロジェクト」の一環の土佐八升豆の栽培イベントです。いきいきプロジェクトは、高知県日高村から都会でがんばる人に“いきいき”を届ける取り組み。

高齢者や福祉施設、村民が土佐八升豆を育て、一緒に農に関わることで、心と体の元気を届けています。その活動が、地域の生きがいや役割にもつながる。お互いに支え合う、新しい地域のかたちとなっています。

イベントレポートはこちら>

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